前回から引き続き抗酸化力についてお伝えできればと思います。サツマイモに対し、抗酸化力の測定はスーパーオキシド消去活性、ヒドロキシラジカル消去活性、一重項酸素消去活性の三種類の指標について行いました。これらの指標の内容、測定の意図などについて記載いたします。
前回の記事で活性酸素と一口でいってもその中にはいくつかの物質が含まれていると記載いたしました。先ほどの指標にあったスーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、一重項酸素がそれぞれ活性酸素と呼ばれる物質の一種で、発生の仕方や体に与えるダメージなどが各々異なっています。
そして、例えばスーパーオキシドを消去できる物質は一種類ではないため、総合的に消去活性を見るには活性を持つ個々の物質の量ではなく実際に消去した活性酸素の量を見るのが適しています。こうしてそれぞれの種類の活性酸素について消去量を測定することで作物が持つ活性酸素の消去活性が明らかになります。また、作物によって多い栄養素の種類は当然異なるため、この活性酸素は多く消去できるが別の種類は消去できないということもあります。それゆえ複数種の活性酸素それぞれに対して消去できた量を測ることで、より実際的な我々の体に対する抗酸化力や作物ごとの特徴を把握できるのです。
これ以外にも複数の指標、測定法がありますが、ある測定法だと高い値が出ても別の測定法だと低い値が出るなど測定法によって抗酸化力の多寡はばらつくことがあります。このため、活性酸素の種類ごとに活性が出ることで作物の持つ抗酸化力の特徴を見逃しにくいこの方法で弊社は測定を行っています。