ニュースリリース

2020年05月18日

Bacillus属菌の接種によるカメリナの収量の向上を確認しました

MOIL株式会社はBacillus属に分類される菌をカメリナに接種することにより、非処理区と比較して収穫量が約3倍に向上することを確認いたしましたのでお伝えいたします。
なお、本成果は「Soil Science and Plant Nutrition」(VOL. 65, NO. 6, 2019)誌にオンラインでは2019年10月7日に掲載されております。

 

【目的】
カメリナ (Camelina sativa) は、高い油生産能力といくつかの農業上の利点を備えている油糧作物です。近年、カメリナはそれらの特性からバイオ燃料の原料として注目を浴びており、更なる収量向上を目指した研究が各国で実施されています。本研究では土壌微生物に着目し、カメリナの収量増加を目指しました。

 

【方法】
カメリナの根圏土壌から単離した複数の菌をカメリナと同じくアブラナ科に属し、成長の早いコマツナに接種することで、収量を向上させる効果をもつ菌を選抜しました。選抜されたBacillus属に分類される菌をBacillus M-11としてカメリナに接種、収量を観察しました。

 

【結果】
接種群の植物あたりのさや数は対照群よりも 3.3 倍高くなりました。これにより、接種群の種子収量 (633 g/m2)は対照群の収量 (202 g/m2)よりも約 3 倍高くなりました。また、この収量は小規模な栽培の結果ではありますが、これまでに報告されてきた中でも高い収量である 330 g/m2を上回りました。